鈴木 彰真, 瀧谷 俊介, 村田 嘉利 (岩手県立大学)
車線変更や後進時,左折時の死角に起因する事故防止のために,自動車にセンサを取り付け,人や他車両を通知する取り組みが,自動車メーカーで行われている.後方を支援する多くのシステムは,カメラ,超音波,レーダーのいずれかによる検知を行っており,既に高い品質で実用化されている.一方,運転者への伝達方法としては,多くが視覚や聴覚による通知を採用している.これらによる通知は,他の注視対象や環境音との競合を回避する必要がある.そこで,より直感的で他の情報と競合しない手法として,触覚による通知を提案する.筆者らは,運転姿勢に左右されないより実用的なシステムとして,尻部に設置したアクチュエータを用いて通知することが可能であるか検討し,その有用性を示した.前方を除く7方向にマイコンにより動作する振動モータを実装したシートを用いて小型自家用車による走行実験を行った.砂利道,40~60km/hを法定速度とする舗装路を走行し,5人の被験者によって実験した結果,教示なしに3段階の強度で方角を通知できることが確認できた.
※本研究のうち,瀧谷俊介君はハードウェアの組み立て,モータへの通信手法の実装,アンケートの実施を担当
keywords: 周辺通知, 自動車, 死角, 振動モーター, 触覚
DICOMO2016, 4C-3, 2016/7/7